保育・教育の現場での生き物飼育方法講座

京都生き物文化研究所ブログ−保育園・幼稚園など幼児教育の現場での生き物飼育に役立つ情報を提供します。

トラブル−水が濁る

魚を飼い始めて数週間、魚が次々に死ぬトラブルから解放される、もしくは魚が死ななかった、として、次に悩まされるのが水の濁りです。

 

うまくろ過が機能している水槽は、ガラスにいろいろ付着したりしますが、水自体は透明です。水の透明度がすっきりしない場合は、何か問題があります。

 

大別しますと緑に濁るか、白く濁るか、です。

 

緑に濁るのは植物性プランクトンの繁殖です。薄く濁っている程度ならばそれほど問題にはなりません。金魚の飼育の場合はむしろ推奨されます。グリーンウォーターと言って、金魚にとっては理想的です。

 

ただあまり強く濁りすぎて魚がよく見えない、というくらいになりますと本末転倒ですし、昼間は光合成してくれるので酸素の補給になりますが、夜になると彼らも酸素を消費しますので、場合によっては酸素不足という事態を引き起こします。

 

緑に濁るのは、明るすぎるからです。置き場所を考え直す必要があります。直射日光が当たっている場合は、夏に水温が上がりすぎて魚が死ぬこともあります。メダカのように強い場合でも35度は暑すぎます。そのリスクを背負うことになるので、直射日光が長時間当たる場合は置き場所を変えましょう。それだけで減って行きます。

 

注意点として水槽を動かす場合は必ず水槽から水を抜いて動かすようにしてください。水槽に水が入ったまま動かすと水漏れの原因となります。プラケースの場合は水漏れは起こりませんが、水は意外と重たいので事故の原因ともなります。水をできるだけ少なくしましょう。普通の水槽は完全に水を抜いた方がいいです。魚もプラケやバケツに移して移動させます。

 

水が白く濁る場合は、バクテリアにトラブルが発生している印です。うまく行っている水槽ではニトロバクター属とニトロソモナス属のバクテリア、いわゆる硝化バクテリアが支配的な相を占めていますが、そこのバランスが崩れてそれ以外のバクテリアが増え、生存競争が起こると、生存競争に敗れたバクテリアの死骸が漂って白く濁る原因となります。

 

白い濁りはろ過がうまく行っていないサインなので、対処法としては水換えを頻繁に行うことです。少しずつ毎日水換えを行うと、しばらくすれば硝化バクテリアが増えて水の濁りがなくなるはずです。

 

あと濁りが発生している場合は、富栄養状態になっていることが多いので、餌を控える、という対処も必要です。餌は最小限が原則です。特に保育園や幼稚園の園児は餌をあげたがる傾向が強いように思いますので、その点気をつけてください。