保育・教育の現場での生き物飼育方法講座

京都生き物文化研究所ブログ−保育園・幼稚園など幼児教育の現場での生き物飼育に役立つ情報を提供します。

水槽の正しい立ち上げ方

前回はグッピーと水槽をいきなり買ってくるという暴挙に及びました。何度も繰り返しますが、これは私の家にはすでに立ち上げ後十五年間維持している水槽があり、そこで水草が繁茂して水草が有り余っている状況で、エアーパイプが10mくらい予備があり、余剰となった高級ろ材の山がある、という特殊事情があるからです。

 

では、そうではないケース、例えば突然もらって来たメダカを保育園や幼稚園で飼育しようと思いたった場合のモデルケースを説明します。

 

1 水槽の置き場所を決める。

水槽は重たいです。普通に安くで買える60cm水槽、あれ、水と砂利を入れると55kg前後となります。しかも水槽は歪みに弱く、下手をすると物理的に崩壊します。55ℓの水が流れ出す、というのは事故です。しっかりとした台を探してください。

 

水温に影響を与えない場所というのも重要です。日差しの差し込む窓際は不適です。温度が上がりすぎて茹で上がるリスクや、昼間は30度近くまで上がって、夜間には20度前後まで下がる(春や秋にはあり得ます)と、さすがに変温動物である魚にはまずいです。

 

電源の場所も重要です。フィルターやエアーをつける場合、電源が必要です。

 

2 水槽を設置する。

水槽を設置する場所が決まったところで、水槽を設置します。水槽を置いたら砂利を入れます。ただし砂利はすでに洗ってあるものとします。これ、意外と手間がかかります。昨日やって見たところ、20分くらいは消費しました。ちなみに前回は過去に利用していた砂利を使っていますので、さっと表面のゴミを洗い流すだけでできました。時間にして5分。だからグッピーも負担がかかりません。新しい砂利は時間がかかります。これを怠ると、水が結構濁ります。しかもあまりよい濁り方ではないような気がします。昨日は1kgの砂利なので、これですみましたが、60cmの水槽に入れる砂利だと5kgになります。ちなみに私が今回立ち上げた水槽は20cmのキューブ型水槽で水量は6ℓです。これだとそれほど置き場所に気を使う必要はありません。水が少しくらいこぼれても「まっ、いいか」と思える場所であればいいです(もちろん8kg程度の重量には耐えてもらわないといろいろ困ります)。

 

砂利が入ったら、フィルターを設置します。今回は投げ込みフィルターと言われるヤツを使用しました。セットについてきたものだからです。

投げ込みフィルターはピンキリです。

 

パワーハウス スモールフィルター ソフトタイプ

パワーハウス スモールフィルター ソフトタイプ

 

 これは高級品です。定価で2800円します。その代わり半永久的に使えますし、ろ過能力もいいです。

 

今回はセットに入っているものを使用します。

ジェックス 金魚元気 キューブセット200

ジェックス 金魚元気 キューブセット200

 

 金魚セットで熱帯魚飼うな、という話です。オートヒーターを買いました。

ジェックス ラクラクオートヒーター55

ジェックス ラクラクオートヒーター55

 

 安かったので選びました。一昔前ならばそんなことはやりません。メーカーによっては信頼性に難がありました。いまは新興のメーカーもかなり老舗になって信頼性が上がっているはずです。ちなみに個人的に好きなのはテトラです。テトラのオートヒーターは13年を経過していますが、いまだ順調です。おかげで予備のヒーターが10年以上使われずに寝ています。何かあってからでは遅いので、いいかげん交換しろ、という話です。

 

フィルターにエアーチューブをつなぎます。ここで一つポイントがあります。セットのエアーチューブはまず長さが足りません。ここで家に予備の器具があるかないか、という問題が出てきます。私は3本ほどあるエアーチューブの一つを使います。前回と今回で二つなので、2本使いました。しかし実際には3mのチューブは全部は使いません。必要な長さに切ります。ここで予備がないともう一回ホムセンに走ることになります。魚をブニール袋に入れたまま、また時間をロスします。

 

しかも水槽があれば、袋を浮かべておけば温度変化は避けられます。しかし初めての方はその水槽がありません。いきなり水槽と魚を買ってはいけない理由です。

 

エアーポンプにチューブをつないでプラグをコンセントに差し込みます。うるさい音とともにエアーが吐出されるはずです。音は半端なくうるさいので、できれば防振ゴムの上に置くことが望ましいです。うるさいのはゴムをバイブレーションで動かしてエアーを送り込んでいるからです。振動がうるさいので、防振ゴムを下に敷くとマシになります。エアーポンプを使い倒しているアクアリストなら防振ゴムの三つや四つ、家のどこかに転がっていますが、多くの人の場合そのような用意がないのが普通です。

 

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こうなりました。濁っています。ちなみにフィルターが早くも茶色いのは、別の水槽のフィルターからバクテリアを失敬してきたからです。スポイトの中の茶色い水です。ちなみにフィルターの掃除をする時に大量に廃棄されます。それを利用するわけです。

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一晩おくと下のようにすっきりと立ち上がりました。バクテリアの威力恐るべし。フィルターにうっすらと茶色いものが見えます。バクテリアのコロニーです。

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あとは魚を入れるだけです。グッピーをオスとメスに分けようと思っていますが、現状は稚魚が二匹としばらくペアで行こうと思っているグッピーだけなんで、しばらく暇です。