ミニマルなベタ飼育法
幼稚園・保育園で飼育するのに格好の魚と思うんですが、どれくらい飼育されているのでしょうか。
ベタ(Betta splendence(Regan 1910))です。実は密かに絶滅危惧種の危急種に属します。改良種はくさるほどいるんですが、野生種は危急種です。生息環境が云々ではなく、実は改良種が放流され、純粋な原種のベタがいなくなっている、ということのようです。安易な放流はいろいろ問題が起こります。
飼育自体は非常にミニマルな設備でOKです。というよりも、フル設備で、と言ってもミニマルになります。
必要なのは小型の水槽(プラケで大丈夫)、水、ヒーター、以上です。底砂は濾過バクテリアのことを考えると薄く敷いた方がいいでしょう。ベタは現地でも閉じられた水域に生息するので、流れを好みません。広い水面も不要です。エラよりもラビリンスと呼ばれる補助呼吸器官が発達しているので、水中の溶存酸素量もそれほど問題になりません。むしろ空中の酸素を呼吸する方が多いので、水面を完全に遮断すると溺死すると言われています。
闘魚と呼ばれるほど、同種に対して闘争心を持ちますので同種同士の混泳は不可です。殺すまで戦い続けます。一匹だけ飼育するのが正しく、溶存酸素量が少ない環境や、水の汚れにも比較的強く、高温にも強いので「コップで飼える」という触れ込みですが、プラケくらい大きさがあった方がいいでしょう。
大食漢と言われますが、魚飼育の原則、やりすぎるよりもやるな、です。少しずつあげましょう。
水の汚れに強いと言われますが、なにぶん水量の少ない割に図体がでかいので、こまめに水を換えましょう。水草を浮かべると安心するでしょう。マツモか浮き草をお勧めします。ヒーターはベタ用という10wの小さなオートヒーターをいれましょう。
非常に人によくなれるので飼育していても楽しいです。園児たちの人気者になることは請け合いです。ぜひ飼育してみて下さい。
寿命が短く、一年ほどでお別れの時期がきます。一生懸命世話をして、少しずつ衰えていって、それがまた世話がやけるんですが、そうしたことも含めて貴重な体験になると思います。