保育・教育の現場での生き物飼育方法講座

京都生き物文化研究所ブログ−保育園・幼稚園など幼児教育の現場での生き物飼育に役立つ情報を提供します。

カブトムシ・クワガタムシの季節

やってきました。カブトムシの季節です。近くのホムセンでも日本のカブトムシ(Trypoxyius dichotomus;Carl von Linne,1771)が売り出されています。

こうなると増えるのが、カブトムシやクワガタムシを園に持ってきてしばらく飼育してほしいという願いです。

小学校のように、確実にマニアが一人は確保できる環境ならば問題はありません。そのマニアがなんとでもしてくれます。しかし幼稚園や保育園でマニアがいる、という可能性はかなり低いのではないか、と思われます。

 

外国産カブトムシを持ってくるケースも考えられないではないですが、外国産はわざわざ購入するので、それを持ってくることは少ないでしょう。帰省した時に捕獲して、それを持て余したか、自慢したいか、で園に持ち込むのが圧倒的に多いパターンではないかと思います。

 

そういう場合、問題はカブトムシやクワガタムシにとって過酷な条件で持ち込まれることがままある、ということです。彼らの苦手なのは、高音と乾燥です。虫かごで持ち込まれると乾燥がひどいです。あれは乾燥したところに住むキリギリスを飼うものではあっても、カブトムシ等を飼うものではありません。というよりも虫かごは一時的な保管、運搬に使うものでしょう。

 

とりあえず全てのカブトムシ・クワガタムシを一時的に保管するための最低限のノウハウを示しておきます。それ以上のテクニックについては、専門的なショップのサイトを調べることを強くお勧めします。

 

まずは何をおいてもプラケースの確保です。昆虫飼育専用のプラケもありますので、それを使った方が面倒は少ないです。何が違うかといえば、コバエが侵入しにくいようになっているので、うざいコバエに悩まされることがありません。保育園や幼稚園にコバエが飛び回っていたら、コバエが大変嫌いであろうことが容易に予測されるお母様方に何を言われるか、わかったものではありません。

 

ちなみに昆虫専用のプラケでザリガニを飼うことは何の問題もありません。勿体無いだけです。私の娘がお世話になっていた保育園ではザリガニを昆虫用のプラケで飼ってました。たまたまあったものを使ったものと思われます。

 

土を入れなければなりません。カブトムシ・クワガタムシは昼の気温が高い時には土に潜り込んで暑さをやり過ごします。その土は何でもいい、という訳ではなく、できれば専門のものを用意した方がいいのですが、最悪園芸用でも何とかなると思います。あと落ち葉などを敷いてやれば乾燥防止になりますし、ひっくり返った時の足場にもなって、体力損耗を防ぎます。小枝をいっぱい入れてやるのも同様の効果があります。カブトムシ・クワガタムシがきた時には、園児とともに落ち葉や小枝を拾って入れてあげるのは、教育的にもカブトムシ・クワガタムシ向けにもよいことです。「ひっくり返ったらカブトムシ(クワガタムシ)さん、大変だから、起き上がれるようにしてあげようね」とか何とか言って、そういうちょっとした気遣いが生命にとって大事である、という気づきとか、いろいろ話ができるのではないか、と愚考します。

 

霧吹きがあれば、それで湿らせます。なければ手に水をつけて、水滴を飛ばすようにしてやればいいかと思います。湿り気の気化熱で高温から守られるので、必須です。乾燥したらマメに湿らせます。

こういうのがあれば、便利です。臭くなりません。

マルカン 上手に飼育できる 消臭バイオ水分補給スプレー KW-13

マルカン 上手に飼育できる 消臭バイオ水分補給スプレー KW-13

 

  

餌ですが、間違ってもスイカなどを与えないでください。下痢をします。ホムセンや百円ショップなどで昆虫用のゼリーが売ってますので、それを与えてください。一番小さいやつを一つ買えば半永久的に使えるでしょう。高いものもありますが、栄養価が高いのでいいように思って私も使ったことがありますが、嗜好性の問題で、一番安いやつに惨敗しました。

 

一つアドバイスです。深くないタイプのものを選ぶといいと思います。

こんなやつです。 

マルカン サムライフラット55 F-22

マルカン サムライフラット55 F-22