保育・教育の現場での生き物飼育方法講座

京都生き物文化研究所ブログ−保育園・幼稚園など幼児教育の現場での生き物飼育に役立つ情報を提供します。

グッピー買ってきました

たまに見かけます。水槽とグッピーを一緒に買う人。

 

絶対にやめてください。うまくいかないことは保証します。

 

水槽のセットは意外と時間がかかります。その間魚は狭いビニール袋に入れられています。ちなみに酸素を詰め込んであるので意外と保ちます。一昼夜くらいは実は保ちます。でないと、通販はできません。

 

ただ温度が下がるとか、上がるとか、いろいろあります。また水槽のセットがうまくいくとも限りません。水槽と生体を一緒に買うのはやめましょう。

 

と言いつつ、やりました。

 

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ショップでこれを見た人、ドン引きだろうな、と思いながらまとめ買い。しかも金魚用のヤツを買ってそこにグッピー。私がこんな人を見たら「やばいヤツ」と思うでしょう。

 

ではセットの方法を見ておきましょう。

 

写真を撮る暇がなかったので、言葉での解説になること、ご容赦を。

 

水槽に入れる砂利があります。なくても構わないのですが、あったほうが水質が安定します。

 

ただ一緒に買ってくると、砂利はだいたいかなり汚れていますので、そのまま入れると水が濁ります。しっかり洗う必要がありますが、これが時間がかかる。我が家にはザリガニのザリスケ君のいたプラケがあったので、そこにあった砂を入れます。軽く洗うだけで綺麗になります。足りなかったので隣にあったミクロラスボラハナビの水槽から砂利を失敬。これでバクテリアもゲット。

水槽に入れる砂利はまずしっかりと洗うことが第一ポイントです。米を研ぐ要領で、と言われますが、もう少し強く洗っていいです。米と違って崩れません。

 

水を入れます。我が家にはカルキ抜きが常備してあります。水を入れてカルキ抜きを入れて、投げ込みフィルターにエアポンプをつけます。付属のエアーチューブは短くて硬いので使い物になりません。我が家には硬くならない高級品のエアーチューブがあります。エアーチューブは小型水槽の水換えにも使える優れものです。多い目に確保しておくことをお勧めします。高いものを買いましょう。高い、と言ってもせいぜい300円程度です。

 

水草コリドラス水槽から数本失敬。これは生えすぎて間引いても間引いても増えています。保育園ではザリガニの餌として持って行っていました。ゴミ箱に捨てずにザリガニの餌になったわけです。今はそういう機会がありませんから、ゴミ箱に直行していたのですが、少し有効活用できました。水草はマツモなど浮くタイプがオススメです。植え込んでも大概の水槽ではうまく育成できません。

 

フィルターにバクテリアを入れます。コリドラス水槽のフィルターから汚れを吸い取ります。コリドラス水槽にある限りはゴミですが、これ、実はバクテリアのコロニーです。もちろん悪いバクテリアではなく、硝化バクテリアです。これがあるおかげで魚の排泄物であるアンモニア亜硝酸へ、亜硝酸は硝酸へと速やかに変えられ、無害化されるわけです。水槽立ち上げが失敗するのはバクテリアによる硝化サイクルが完成していないからです。水槽立ち上げを成功させるためには、何年も維持されている水槽の水をもらうとうまくいくと言われますが、それもそのような水にはバクテリアが含まれているからです。知り合いにアクアリストがいる場合はその人から分けてもらうのが間違いありません。

 

温度合わせの後に水合わせ。私は水合わせはあまり神経質にはやりません。同じ京都市上水道を使っているのでそれほど水質に差は出ないと考えているからです。水道局が異なる場合は神経を使うと思います。

 

一時間弱で完成。

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こうなりました。

 

注意点があります。私がこれをできるのは、十五年維持している水槽があるからです。そこのバクテリアをもらってきたから即座に水槽が立ち上がるわけで、バクテリアのない状態ではなかなかうまく立ち上がりません。

 

もっとも水だけ入れて魚を入れずに空回しするのもあまり意味はないと言われています。空回しの効果については議論が分かれていますので、ここでは断定的なことは言いませんが、私は最初は真面目に空回しをしました。意味があったかどうかはわかりません。タネ水もショップでいただきました。あとはこまめな換水をしました。

 

また私がこれを敢行できたのは、家に色々な器具があり、大概のものはその場で調達できる、というのが大きいです。全く初めての人がこれをやると、チューブの長さが足りない、とか、硬くてうまくはまらないとか、いろいろトラブルが発生します。そこであわてて買い足しに走っていては魚にとってもいいはずがありません。温度管理とかいろいろ出てきます。我が家の場合は温度管理は水槽につけておくだけでできます。

 

重ねて申し上げますが、初めての方は水槽などの器具類と魚を一緒に買うということは絶対になさらないようにお願いします。